舞台空間を映画空間に転写する…

◎『笑の大学』監督:星護 (2004年・日本)


 原作が、きっと素晴らしいのだと思う。映画版(脚本は原作者の三谷幸喜)も、下手に時間や空間を飛ばさずに、限定された場所、かつ2人の応酬を中心に描き、健闘してる。ただ、映画的な膨らみと企みを、もっと持たせることが可能だったのではないだろうか。ちょっと安手な感じが垣間見えるのが惜しい気もする。
 中原俊監督の『12人の優しい日本人』(1991年)はやはり秀逸だったな、と思い出したりもしたが、あれもことさら「映画的」だったというわけではないか…やや記憶の彼方。ま、私は『シカゴ』もNGだったので(え、アカデミー賞?って思ってしまった)。舞台作品の映画化に対し、期待の仕方が間違ってるのか…。
(2005/06/04,レンタルDVD)