新年分をまとめて(相変わらず一貫性がないが)


01. 『戦国自衛隊1549』 監督:手塚昌明(2005年・日本) 06/01/02 DVD
02. 『ミリオンダラー・ベイビー』 監督:クリント・イーストウッド(2004年・米国) 再見06/01/03 DVD
03. 『新幹線大爆破』 監督:佐藤純弥(1975年・日本) 再見06/01/07 DVD
04. 『下妻物語』 監督:中島哲也(2004年・日本) 再見06/01/07 DVDレンタル
05. 『隣人13号』 監督:井上靖雄(2004年・日本) 06/01/07 DVDレンタル
06. 『ピクニック』 監督:ジャン・ルノワール(1936年・フランス) 再見06/01/08 CS録画


 01; 劇場で見逃していたもの。自衛隊の協力は、宣伝面では役に立ったのかもしれないが、一般の観客(が期待する娯楽)に利得をもたらすものにはなっていない。マニアックなディテールに注意を払うよりも、バランスが崩れることを覚悟で、(原作者の主張をこめた)ディスカッションドラマを軸に、タイムスリップSF×時代劇のそれぞれの要素を際立たせる路線としていたら、もっと「熱い」映画になったのではないか。「ハリウッド×浪花節」というコンセプトを追求した『ローレライ』と比較し、こちらの映画には物語と演出を両輪としてパワフルに駆動させるためのフォーマット戦略が見えてこない。この際、辻褄を合わせたり、体裁を整えたり、リアリティを与えたりは、おそらくあまり重要ではない。旧作と同じ東宝ではなく、むしろ松竹(ヌーベルバーグ)的×東映(集団時代劇)的な精神を継承する演出家が手がけた“活劇”として観てみたかった(時代錯誤か…)。配役では、鈴木京香が『男たちの大和』と同じ“過去の亡霊”の召喚役に起用されているところが興味深い。


 05; 『ファイト・クラブ』や『オールド・ボーイ』あるいは『池袋ウエストゲートパーク』を先取りしているとされる原作は未読。劇場公開の規制に従ってかなりカットした個所があるとのことだが、それでも(あるいはそれゆえに)三池崇史作品ともJホラーとも異なる、より以上の「いやな感触」を持った映画になっている。(ディレクターズカットには復元されているらしいが)暴力とか流血とかの直接的な表現とは別のところで、「このまま観続けるのはキツイ」と思わせる部分があった(もしかすると『4人の食卓』に近いか…いやそうでもないか)。ただ、着地点がスマートなので、「いやな感触」を鑑賞後にあまり引きずらずに済む。ディレクターズカットを観たいような、観たくないような…。配役では、吉村由美PUFFY)が絶品。


 06; 京橋のフィルムセンターで学生時代に観て以来。「フィルムが息づく」という喩えが、まさにあてはまる。川面を滑る視線、そこに突然の雨が襲う下りには、息をのむ。40分の中篇だが、確実に幸福な気分になることができる。