『オデッサ・ファイル』が描いたナチ残党、その一つが“スパイダー(クモ)”ですから


 うーん、観てから1週間たつけど、釈然としない。『機動警察パトレイバー 劇場版』との類似の指摘は想定の範囲内のはず(というか、話題性の増幅として、製作サイドの思うツボのはず)。そこ止まり、なのか。もひとつ掘り下げた、批評意識のようなものが存在するのか。なにせ『パト』の細部は忘れてるので、現時点では分析不能


◎『交渉人 真下正義』監督:本広克行(2005年・日本)


 先回り・自己突っ込み(自己言及)型のドラマ展開を見せるので、厄介です。そもそも『ジャガーノート』とか『オデッサ・ファイル』なんてのも、主要観客層にとっては「それって実在した映画だったの?」と言われても、おかしくない代物。剽窃批判やパロディー探しを“無化”するような作品構造であるような、ないような…。
 おたくの立場からあえて、児戯(幼児性や遊戯性に彩られた“ごっこ”、特に戦争ごっこ)耽溺癖を対象化しようという視点が全くないとは言えない、ようにも見えるのですが…買い被りでしょうか。東京を舞台とした“戦争”という押井守的な主題の転生が狙いだったとしたなら、それは失敗してるといわざるをえませんが。
 も少し考えましょう。
(05/05/12,品川プリンスシネマ