キャラクタライゼーション vol.02 “常にアンテナを張っておきたい”って…。


 『電撃マ王』2006年2月号(Vol.3)から。3月号に切り替わるのを見計らっていたのだが、捨て去る前にメモっておく。「マ王的美少女キャラ考察&注目ゲーム特集“あの娘に逢いたい!”」と題した企画における、「試験に出るかも!? 系統別美少女キャラ分析」(P.77)の内容を整理してみた。悪い冗談なのか、真面目なコンテンツ分析なのか…このジャンルを嗜む余裕のない身にはどうも判然としない。あるいは、この単純な理解の中に、もしや、キャラクタライゼーションの何らかの本質が潜んでいたりするのか。


電撃マ王 2006年 02月号

電撃マ王 2006年 02月号


 ●TYPE

正統派 妹系 姉系 内気系 ツンデレ
 ●KEYWORD
幼なじみ おにいちゃん 抱擁 秀才 嫌悪
アイドル いつも一緒なの 誘惑 病弱 嫉妬
目覚まし もう大人だよ! 恐怖 頑固 照れ
 ●ITEM
ヘアーバンド ちっちゃい ロングヘアー! メガネ 金髪!
制服 つるぺた 巨乳! ストレートヘア ツインテール!
白ニーソ フリフリな服 頭身高め! 地味な服装 ツリ目!
  ぬいぐるみ     態度!
 ●CHARACTER
藤崎詩織
ときめきメモリアル
1995
鳴沢唯
同級生2
1997
向坂環
ToHeart2
2004
杉本桜子
同級生2
1997
遠坂凛
Fate/stay night
2004
神岸あかり
ToHeart
1999
涼宮茜
君が望む永遠
2001
麻生華澄
ときめきメモリアル2
1999
如月未緒
ときめきメモリアル
1995
如月未緒
ガンパレード・マーチ
2000
橘天音
Canvas
2005
L・コールウェル
みつめてナイト
1998
千条七瀬
ゆめりあ
2003
古河渚
CLANNAD
2004
新藤麗子
下級生
1997


 ●TREND いずれも『電撃マ王』2006年2月号からの引用


正統派 いろんなゲームで定番化しているタイプだけあって、上で挙げているようなパターンも、すっかりおなじみになってしまった感は否めない。そこで最近は、正統派のメインヒロインでありつつも、同時に他のタイプの特徴を兼ね備えているキャラも登場している。正統派であり、なおかつ妹だったり、ツンデレなお嬢様だったり……。さらには、メイドや妹など特定のジャンルに特化した恋愛ゲームも出てきており、ますます複雑だ。


妹系  妹キャラは、たしかに年下のかわいい女の子ではあるけれど、必ずしもロリコンっぽいキャラというわけではない。ダメなアニキをリードしてテキパキと行動するような妹キャラだと、ほかのタイプのヒロインと雰囲気がさほど変わらない場合も少なくない。一方、ロリキャラの中には、妹を通り越してほとんど“娘”のような存在の女の子もいる。妹キャラは年齢ではなく、兄妹間の「頼り、頼られる」関係が重要なのだ。


姉系 ゲームにおける姉タイプのポジションといえば、落ち着いた口調で年上の余裕を持って接してくれる「癒し系」がスタンダードだ。ところが最近は、主人公との年齢差が1歳もしくは同じ歳という、従来の姉ヒロイン像とはまた違った魅力を持つタイプが目立つようになってきた。その特徴の1つが、ヒロインの呼び方。“さん”付けではなく、“○○姉”という愛称が似合う、フレンドリーな姉タイプにシフトしてきている。


内気系 このタイプは、内気で自己主張が少ないだけに、プレイが進むにつれて、“何を考えているのか判らない”キャラへと発展する可能性もあある。ヘンな口グセを連発したり、謎のアイテムを操るぐらいは、まだ序の口。愛のためなら犯罪も辞さない強者だったり、真の姿はロボットや幽霊や宇宙人だったりする場合もあるので、なかなかにスリリングだ。そういった意味では、男としての器の大きさが試されるタイプとも言えるだろう。


ツンデレ 最近では「ツンデレ」というキーワードにならって、“ツン”の伏線がクールである「クーデレ」や、“デレ”の表情を見せない「素直クール」などなど、新たなキャラ属性が続々と誕生。カテゴリーが細分化してきている。これによって、どのヒロインがどのカテゴリーに属するのか、分析する楽しみも生まれたといえよう。今後も新たな属性が次々と派生していく予感。乗り遅れないよう、常にアンテナを張っておきたい。