キャラがあってのキャラクターアニメなので

◎『ヴァン・ヘルシング』監督:スティーヴン・ソマーズ(2004年・米国)

 CGモンスター・アニメートの見本市だと思えば腹は立たない。定型化された動きとしては完成の域に来てる感も。ただ、個々のキャラを立たせ、そのキャラに見合ったアニメートを表現しないと、感覚的な気持ちよさはあっても、感情的な高揚には至らない。
 例えば3人の花嫁。アナを執拗に狙う動機を端的に色分けしてもいいんじゃないか。アナに恋慕に近い執着を抱いている(男属性)、ひたすら伯爵からの寵愛を受けたい(女)、人狩り自体が好きでたまらない(獣)とか。ラン、スー、ミキの要領ですな。
 『ハムナプトラ』の数少ない瑕がCGキャラ(スコーピオン・キング)だったので、捲土重来の念があったのか。でも、モンスター尽くしが妙とはいっても“人間味”があと少し欲しい。観客に最も近い修道僧カールをうまく使えば、そうした味は出せたはずじゃ…。
(2005/05/04,DVD)