“魂の叫びにテイク2はない”(樋口真嗣)

 昨日は「爆裂」、本日は「爆発」、そして主題は何とまた「爆裂」に回帰するのだった──。『特撮エース』の連載が単行本になったので一気読み。未読の回もあったので助かる。


◎『福井晴敏×樋口真嗣 爆発道場福井晴敏+樋口真嗣(著),角川書店ISBN:4048839284


 やはり傑作は、樋口艦があえなく自沈する「第四発 インデペンデンス・デイ(のはずだった……)」。未読の回で興味深かったのは「第六発 スター・ウォーズ」、そして尾上克郎(『ローレライ』監督補、『戦国自衛隊1549』特撮監督)と神谷誠(『亡国のイージス』特撮監督)をゲストに迎えた「第十発」。第十発では、先ごろDVD化されたばかりの『爆裂都市 BURST CITY』を『イージス』の“お母さん的映画”として取り上げ、かつての自主映画ブームのことなども語っている(尾上、そして『イージス』の阪本順治監督は『爆裂都市』の美術スタッフだったのだ)。
 欲を言えば“爆発映画”をあと二編くらい正面から扱ってほしかったが、映画版『ローレライ』の演出ノートとして読むこともでき、(ひとり編プロとして奮闘する)福井のギャグ筆致を楽しむこともでき、こういう企画は大歓迎(連載はまだ続いているのか?)。


福井晴敏×樋口真嗣 爆発道場

福井晴敏×樋口真嗣 爆発道場