書籍

“基本的に映画は待ってくれるのだから慌てることもない”

日本経済新聞土曜版(NIKKEIプラス1)に載っている映画評「今週の1本」は、毎週楽しみに読んでいる。この連載コラムを中心に、映画365本分を1冊に収録したのが、『映画一日一本―DVDで楽しむ見逃し映画365』(芝山幹郎・著、朝日新聞社・刊)だ。1年・12カ月…

肝心の本田透さんを未読だな…

この1カ月ほどの間に入手した書籍・雑誌(の抜粋)。こうして見るとかなりセレクションが偏っているので、そろそろ目先を変えたいところだが。なお、『オタクエリート』と『アニメーションノート』は正対して読む気になれないものだった。 ■萌え・オタク オ…

或イハ所在無キ「おたく第一世代」ノ妄言

私は、いわゆる「オタク第一世代」に属している。ただし、オタクを自称する気はない。“嫌オタク”なのではない。リスペクトされるオタクには憧れがあるのだが、なにしろ極めた分野を持っていないのだ。幾らかの適格性はあるのだろう。とは思っている。だから…

最高峰は『飢餓海峡』だとのこと。それに笠原和夫

井筒和幸監督の好む映画群に、改めて親近感を覚えた。『ガキ帝国あくたれ戦争』(1981)には、一見粗削りの前作とは方向性の異なる非常に技巧的な一面があったと記憶するのだが(現状では封印作品のため確認できない)、初期のブライアン・デ・パルマに強く…

“左脳を黙らせろ”…ん、“全脳開発”?

まさに盛り上がっているところのようですね、マインドマップ。明日(2日)、創始者のトニー・ブザン氏(自己啓発分野のカリスマ)の講演会があるそうで、4日には著書『ザ・マインドマップ〜脳の力を強化する思考技術〜』がダイヤモンド社から発売される。 ザ…

“大人気キャラクター101人の魅力に迫る!”

(買ったのは少し前ですが) ◎『ライトノベルキャラクターズ完全ファイル』宝島社(ISBN:4796647716) こうした趣向の企画、どこかが出すだろうと待っていたが、宝島社から発行。まあ順当ではある(意外と『日経キャラクターズ!』が早く手をつけるかとも思っ…

“バカバカしくも素晴らしい風景”(白亜右月)

さしたる予備知識もなく、半ば衝動買い。ほぼ半分が、OVA『爆裂天使』の版権イラスト、スケッチなどだ。“腕”の表現が印象に残る。対して“脚”の表現についてはややこだわりがないように映るのだが、どうか。オリジナルを含め、輪郭線を弱めたイラストの方が、…

“魂の叫びにテイク2はない”(樋口真嗣)

昨日は「爆裂」、本日は「爆発」、そして主題は何とまた「爆裂」に回帰するのだった──。『特撮エース』の連載が単行本になったので一気読み。未読の回もあったので助かる。 ◎『福井晴敏×樋口真嗣 爆発道場』福井晴敏+樋口真嗣(著),角川書店(ISBN:40488392…

ルネサンス時代の世界観と十九世紀の世界観の並存

◎『時の娘たち』鷲津浩子(著),南雲堂(ISBN:4523292973) 同じ『朝日新聞』2005年6月19日付・13面から。「アメリカ文学」が主題のようだが、章立てが分からないので内容の詳細は不明。レビューから分かるのは、「エマソン(Ralph Waldo Emerson)論」、「…

“良くなった時が怖いんだぞ”(多川精一)

◎『焼跡のグラフィズム』多川精一(著),平凡社新書(ISBN:4582852688) 雑誌の書評などで気になっていた一冊(未購入)。戦時中の対外宣伝誌『FRONT』をつくった東方社を舞台としている回想記です。17年前の著作『戦争のグラフィズム』に始まる「自らの仕事…

 “人間関係の商品化を深化させるだけ”

『週刊文春』2005年6月23日号のから、ほかにも幾つか。 「宮崎哲弥謹製 ミヤザキ学習帳(67)」のキャッチは“心理学の帝国 「心の病」が多すぎませんか”(P.133)。何もかもを「心の問題」に帰結させてしまっていいのか。といった観点でのセレクション。縦軸…

“ついに来た!落語ブーム?”(Invitation)。「?」が付くのは何故?

現在市販されてる落語のCDは、通販商品を除いても700〜800種類はあるのだそうです。市中でそれほど見かける商品ではないので、これは予想外の数字でした。『朝日新聞』2005年5月19日付夕刊・11面“落語CDの選び方指南”から。 ◎『古典落語CDの名盤』京須偕充(…

“内容と形式のアンバランス”

“イラストレーターと漫画家を分かつもの──時間性をクールに操る漫画家登場”とのキャッチ。『Invitation』2005年6月号鹿島茂の漫画美学入門>でレビューされてる新刊です。 ◎『鶏肉倶楽部』中村明日美子(著),太田出版(ISBN:4872336720) オーブリー・ビアズ…

都市細胞に封じ込められたアイコン

読了。勉強になった。本題とあまり関係ないところをメモっときます。「のちに万博で全面的に展開されることになるカプセル建築やユニット住宅、巨大なスペース・フレームやメガ・ストラクチャーといった発想は、事実、メタボリストたちによる、生物の細胞レ…

大阪発のアート・ムーブメント

digmeout。そういう名前の雑誌(かムック)なのかと思って買ってきたら、アートプロジェクトの名前で、そちら方面では大変な話題となってるようで。大阪のFMラジオ局「FM802」が仕掛けた、関西発のムーブメントだそうです。 米・ポートランドで開いた展覧会…

“人体模型なのであって人形ではありませんから”(押井守)

復刊ドットコムにこんなのも。残部15、というのが誘いますね。やはりここは時々チェックした方がいいのか。5月中旬の発送だそうです。2940円。 ◎『バロック・アナトミア』佐藤明(著),エディシオン・トレヴィル フィレンツェ大学付属「ラ・スペコラ」博物館…

インファンタリズムのアングラ巨匠と児童ファンタジー

で、『夢でない夢』の装丁・挿絵を手がけてる佐伯俊男さんが、どんな人かを調べると。 類い希なインファンタリズムとブラック・エロスの冴えで20世紀末のパリを震撼させた実績を持つ。そのモチーフは、死、グロテスク、怪異、魑魅魍魎、ホラーなど多岐ににわ…

『夢でない夢』復刊

復刊ドットコムで予約。5月下旬の発送だそうです。2835円。 ◎『夢でない夢』天沢退二郎(著),ブッキング あの『光車よ、まわれ!』、《オレンジ党》シリーズの原点がここに! 天沢退二郎の初期童話作品集。待望の復刊です(初版は1973年/大和書房 刊)。の…

シド・ミード、小林誠のコラボなのか?

あ、「グランオデッセイ オフィシャルアートブック」(ISBN:4822217108)っていうのも出てるのね。その目次から。

メディアが伝えているもの

本日発売の『週刊現代』(2005年4月16日号)に、書籍関係で読みどころがいくつか。まず、著者インタビューから二つ挙げます。 ◎『半島を出よ』村上龍(著),幻冬社(ISBN:434400759X・ISBN:4344007603) “日本が北朝鮮「反乱軍」に攻め込まれる日”と題した村…

『嗤う日本の「ナショナリズム」』刊行記念 トークショー

『嗤う日本の「ナショナリズム」』(ISBN:4140910240)(読んでる途中)刊行記念の トークショーをみてきた。2005年3月30日、表参道の青山ブックセンター本店内・カルチャーサロン青山。 著者の北田暁大さんに、お相手は東浩紀さん(鈴木謙介さんが急病のため…