“左脳を黙らせろ”…ん、“全脳開発”?
まさに盛り上がっているところのようですね、マインドマップ。明日(2日)、創始者のトニー・ブザン氏(自己啓発分野のカリスマ)の講演会があるそうで、4日には著書『ザ・マインドマップ〜脳の力を強化する思考技術〜』がダイヤモンド社から発売される。
- 作者: トニー・ブザン,バリー・ブザン,神田昌典
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2005/11/03
- メディア: 単行本
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このニューロン&シナプス状の筆記方式を最初に見たのが、いつかは思い出せない(たぶんビジネス系ではない雑誌か書籍)。全世界で2億5000万人が学んだ技法(思考ツール)だというが、「12のルール」なるものがあって、公認マスタートレーナーなる方が居る家元制度のようなものであることは知らなかった*1。
途中まで眺めて放り出してあった映画シナリオ教本『書きたい! 書けない! なぜだろう?』を改めて手に取ったら、第8章“マインドマッピングの奇跡”(P.111)で、この技法の利用を勧めていることを知った*2。それが先週末のことで、調べてみるとPCツール化されていることなどもわかったのだった。
単なるテキスト情報の整理に使っている人もいるようだが、「12のルール」の中には
- テーマはイメージで描く …枠はなし、縦横3〜5cm、3色以上で
- ワードは単語で書く …フレーズや文章で書かない、助詞をつけない
- 強調する …シンボルイメージを描く、カラフルに描く、3Dで描く
- 創造的に …ユーモラスなイメージを使う
といったものがあったりして、本流の記述例などを見たところでは、思っていた以上にイメージドローイングに近いものだとわかる。
なので、『書きたい! 書けない! なぜだろう?』に記されているのは筆者流の指南だと思われるのだが、こちらでとにかく強調されているのは「右脳の活性化」という観点だ。5〜7分間程度でよいのでエネルギーを集中し、無心にアイデアを放出することを求めている。
その5〜7分間の没入のための準備としては、まずはストーリーやシーンのイメージを心の中に描き、ストーリーの核(全体像)となる「中心イメージ」を見つけることが必要になる。「主人公が理想を実現し目的を達成した後、ストーリーの終わりのイメージが観客に、何がどう伝わるのか」を思い描いた上でマッピングを始めるようにと説いている。
この中心イメージというのは、「映画のポスターのように、説明抜きでストーリーの本質を視覚的に表現するもの」とも。このあたりは、本家の「テーマはイメージで描く」に共通する点とも言えそうだ。
筆者が示すマッピングの基本原則は単純で
- 止まって考えず、できるだけ素速く書く
- できるだけたくさんの色を使う
- 言葉の代わりに、できるだけたくさんの絵や記号を描く
といった三点を掲げ、「自分が生み出したアイデアを検閲したい誘惑を抑え、「考える」ことすらやめるようにしよう」と言っている。
- 作者: マリサデュバリ,岡田勲,Marisa D'Vari,別所里織
- 出版社/メーカー: ストーリーアーツ&サイエンス研究所
- 発売日: 2002/03
- メディア: 単行本
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などといったポイントをたどっていくと、PCツールは、マッピングにはあまり向いていないものかなとも思えてくる。とりあえず私は、「FreeMind」を触ってみているが、ツールとしてとても好みの類ではある。特に「雲」の描線がいい感じ。