幽霊は冥府に“落ちる”ことができるか?


01. 『サマータイムマシン・ブルース』監督:本広克行(2005年・日本) 再見06/02/25 DVD
02. 『リンダ リンダ リンダ 』監督:山下敦弘(2005年・日本) 06/03/04 DVD
03. 『ロスト・メモリー』監督:イ・シミョン(2001年・日本+韓国) 06/03/11 DVDレンタル
04. 『妖怪大戦争』監督:三池崇史(2005年・日本) 06/03/12 DVDレンタル


 近年来でもいちばんの忙しさで、劇場には行けず。気になっていながら観逃していた『ロスト・メモリーズ』は、思ったよりも力作だった。特に序盤は、リドリー・スコット(『ブレードランナー』)やら押井守(『攻殻機動隊』)やらウォシャウスキー兄弟(『マトリックス』)やらに目配せしつつ、映像処理はなかなかのもの。で、それら演出家が備える“退屈さ”もしっかりと受け継いでいたり…。設定やストーリー展開は好みの部類に入るのだが、主人公を韓国(チャン・ドンゴン)と日本(仲村トオル)とにそれぞれ配置したところに無理が生じ、感情移入させにくい構造になってしまったのが残念。


 並行して録画鑑賞している『白夜行』は、賛否あるだろうが、これぞTBS。テレビドラマとしては久々に浸っています(発売後すぐに読んだ原作の細部が、ほとんど思い出せず…)。出番は減ったが、麻生祐未の渾身の芝居が、とにかく見もの。既に出番を終えた奥貫薫、いま真っ最中の西田尚美、もう少し出番が欲しい西山繭子といった面々による「薄幸合戦」が、心に染みる。さらに河合美智子余貴美子大塚ちひろ、佐藤仁美など、女優陣の配置(配役)が、とにかくよい。中心的存在の綾瀬はるかも、拙さを残しつつ、黒衣のファムファタールを好演している。そして、山田孝之。見事。