“パーソナル大状況主義”とでも言っときますか

 『宇宙戦争』の公開(日米同時:6月29日)を控えるスティーヴン・スピルバーグ監督。作品コンセプトの説明が興味深かったので、ちょっとだけ引用します。『スターログ日本版』24(2005 SPRING)の<スティーヴン・スピルバーグ & トム・クルーズ Interview>から。タイトルは“『インデペンデンス・デイ』を見て僕ならこうは撮らないと思ったんだ”。

 僕の作品の中で最もリアルな映画だといえると思う。でも同時に、昨今の観客がハリウッド映画に期待するもの(を)たっぷり詰め込んだ。つまり、視覚的に派手な場面と、ドキュメンタリー風に描かれた個人の問題とを組み合わせたわけだ。その点が、この(H・G・ウェルズの)原作を映画化するに際してのユニークなアプローチになっていると思う(P.027)

 VFXスーパーヴァイザー(visual effects supervisor)には重鎮のデニス・ミューレン(Dennis Muren)に加え、『ボーン・スプレマシー』を手がけたパブロ・エルマン(Pablo Helman)が起用されてる。共にILMスターログ誌では「このあたりもリアリズム重視の人選だろう」としてるのでIMDbで検索したんだけど、なるほど確かにパブロ・エルマンは『プライベート・ライアン』(担当:sabre supervisor)などに参画してる。『遠い空の向こうに』(担当:sabre supervisor)もそうだ。
 でも…。『スター・ウォーズ エピソード2 クローンの攻撃』や『リディック』でもVFXスーパーヴァイザーを務めてるし、あ、そもそも『インデペンデンス・デイ』(担当:digital compositing supervisor)にもかかわってるじゃない。キャリアの初期はパシフィック・オーシャン・ポストでのデジタル・コンポジティングだったようですね。調べてみるもんだ。