高度成長と「ハイパー都市」化の陰で

 <闇を愛でる絵師たち>と称して4人のアーティストが紹介されてる。一人は、4月13日の当BLOGに記した佐伯俊男さん。それから、たぶんどこかで既に観てるとは思うんだけど、改めて魅力を知ったのは上田風子さん。

というラインナップです。

◎『TH series(トーキングヘッズ叢書)No.23 昭和幻影絵巻〜闇夜の散歩者たちアトリエサードISBN:488375068X

燦然と輝く未来があったと同時に、濃い闇も抱えていた“昭和”という時代。
ここ数年、昭和ブームとも言うべきムーヴメントがいろんなところで感じられるが
本特集では、そのムーヴメントに昭和的・日本的な闇の世界への憧憬を読み取り、
江戸川乱歩から現代の作品まで、高度成長や都市化の陰にうごめいていたものたちを
ピックアップしていく――。
アトリエサードHPから)

 といったボディコピー。メインでフィチャーされてるのは実相寺昭雄監督で、映画(『姑獲鳥の夏』ほか)よりもオペラ『魔笛』の方が興味深いかな、私的には(公演は3月に終了)。その衣装を担当した漫画家、加藤礼次朗さんによるデザイン画、それにインタビューが楽しい(実相寺監督がワンフェスにはまってく裏話なども)。

 ほかでは、デジスタで作品(短編アニメーション『電車かもしれない』)を観てから気になってた近藤聡乃さんの新作紹介もあって、これが素晴らしい。「昆虫」という観点からの論評を加えたもので、初の単行本(短編漫画集)のレビューが中心になってます。欲しい。


◎『はこにわ虫近藤聡乃(著),青林工藝舎ISBN:4883791726