松尾氏が優作氏にボコボコにされてる場面を想像しちゃいました

 松田龍平を相手に「なんじゃあ、こりゃー!?」などと言わせてしまう、神をも畏れぬ所業。そう簡単に出来ることじゃないです。芝居の間も絶妙で、私にはここがいちばんの爆笑ポイントでした。

◎『恋の門』監督:松尾スズキ(2004年・日本)

 思ったよりも楽しめました。クドカン(『真夜中の〜』)のように、映画と呼んでいいかどうかの“際”までは覗き込まず、オーソドックな域でまとめてます。さすが、大人っ。大人計画と称するだけのことはある。
 酒井若菜は期待どおりの好演。モー子と遜色なし。それから見直したのは小島聖。特に前転(≠側転)するとこがツボ(なぜだ?)。田辺誠一を見直したっていう人も多そうですけど、私は前から、こういうポジションが似合う人だと思ってましたが。あとは平岩紙はてなのキーワード(経歴)を見ても、どこでこの人を認識したかが定かでない…おそらく『アギト』か…そうだ確実に『アギト』だ。
 現代のへたれアウトサイダーに束の間の夢を与えてくれる話ですね。社会に晒せずにいる自分を抱えてる人にとって、共感できるところを持った作品だと思います。
(2005/04/23,レンタルDVD)

 ついでに、こんな情報も──。

 2000年6月、松尾スズキシアターコクーンに初進出し本格的ミュージカルに挑戦した「キレイ」が、5年の月日を経てついに再演されます。
(中略)
 そんな松尾が再び挑む今回の「キレイ」は、キャストも大幅に変更し、全く新しい作品に生まれ変わります。主役のケガレには「恋の門」でヒロイン恋乃をキュートかつ大胆に演じた酒井若菜、ミサ(成人したケガレ)には今夏公開される松尾監督の短編映画「夜の舌先」主演の高岡早紀という松尾映画のヒロイン2人が顔を揃え、スズメバチに脳を刺されバカになったハリコナには、昨年「透明人間の蒸気」(野田秀樹作・演出)で主演した阿部サダヲ。成人したハリコナには松尾作品初登場の岡本健一。ほかにも劇団☆新感線橋本じゅん、「悪霊」以来の松尾作品となる大浦龍宇一、初演から引き続き松尾が全幅の信頼を置く秋山菜津子片桐はいり。脚本家だけでなく今年は監督デビューも果たした宮藤官九郎大人計画メンバーも多数出演します。
 ミュージカルという言葉から想像される恥ずかしさと照れくささに、松尾の人一倍恥かしがり屋で照れ屋気質と宇宙的概念が対向し、化学反応を起こして出来上がった「キレイ」が、更なる進化を遂げて今夏、登場します。
(「シアターコクーン:キレイ」から)