この“昔々”というクリシェは不可避なんでしょうか


 非常に遅ればせながら、四天王の2人が競演(およびイ・ウンジュさん)のこの映画を鑑賞。長尺だと、なかなか手が出せなくて…。


◎『ブラザーフッド』監督:カン・ジェギュ(2004年・韓国)


 企画力と演出におけるスタミナは傑出していると思うんです、カン・ジェギュ監督(兼脚本)。ただ、映像を効率的に機能させる構成力の点では、決して巧者じゃない。『シュリ』と同じテツを踏んでて、一本調子なところがあるように感じました。
 それによってこそ戦争の愚かさ(に呑み込まれる人間)を表現できる、という狙いがあったのかとは思いますが、ここまで戦場のシーンに耽溺せずとも成立するのでは。それと、題材とその表現からして、お約束事のように寓話的処理(それも『ジュラシック・パーク』みたいな「封の仕方」)を踏襲しないでもよかったんじゃないでしょうか。
 なぜかは分析してませんが、ピーター・ウィアー監督の『誓い』や、マイケル・チミノ監督『ディア・ハンター』を思い出しながら観てました(『プライベート・ライアン』は言わずもがな)。それら傑作と比べたくなる力作であることは間違いないです。
(2005/04/24,DVD)