“夢声はリベラリストではあるが、立場は保守である”(小林信彦)

 『週刊文春』2005年6月23日号の小林信彦さんのコラム「本音を申せば」(第363回)のキャッチは“「夢声戦争日記」のすすめ”。『夢声戦争日記』とは、活動写真の弁士として成功し、トーキー時代には俳優に転進した夢声が、<話術の神様>としての才を発揮して戦時下の“日常”を綴ったというもの。コラムは、「当時の日本人と戦争を描いて、これ以上の本はない」と結んでいます。これ以上の“お墨付き”はないでしょう。
 古本以外で入手できる可能性があるのは、目下、抄録版のみのようです。なら、復刊ドットコムか…。

◎『夢声戦争日記 抄―敗戦の記徳川夢声(著),中公文庫(ISBN:4122039215

 検索をかけたところ、唐沢俊一さんが自身のSITEで頻繁に触れているようですね。BLOGの意味を考えるためにも、必読なのかも。

唐沢 私の場合は、何かを日記で語る際のモデルがあって、それは徳川夢声の『夢声戦争日記』なんですよ。夢声の日記でいちばん学んだのは「俗物であることを恐れない」ということなんです。どういうことなのかというと、日記ってのは、さっき芦辺さんがおっしゃったような、極端なことばかりの自意識過剰な内容じゃなくて、床屋政談的な俗な世間話を書きつづっていく方が本来のあり方なんじゃないかということなんですよ。
唐沢俊一一行知識」ホームページ『裏モノ日記大(?)座談会』から)

参照SITE