“爆発”表現…も手付けなのか。物理シミュレーションなのか。


 CGによる「爆裂人間(過去LOGはここ)」。にして、オスカー受賞作──。
 ところどころで紹介記事を見かけていたにもかかわらず、きちんと読んでいなかった。クリス・ランドレス監督による“アニメイテッド・ドキュメンタリー”という趣向の短編映画『ライアン』が、現在公開されている。ビンチェンゾ・ナタリ監督『NOTHING/ナッシング』との併映。
 NFB(カナダ国立映画製作庁)でノーマン・マクラレンに認められる才能を持ちながら、ドラッグとアルコールに溺れ社会からはみ出してしまった70年代のアニメーション作家。そのライアン・ラーキンの現在を追い、インタビュー音声を使いつつビジュアルはCGアニメーションで描いたものだという。スチルを見ると、『The End』(1995)や『Bingo』(1998)の頃のテイストを結構継承している模様*1
 で、『映画秘宝』2005年11月号によると、そのキャラクターは「怒ると頭が爆発し、落ち込むと体が萎む」。

 「サイコ・リアリズムだよ。内面を外面として表現するんだ。これはデヴィッド・クローネンバーグが『裸のランチ』などでやっている。肉体の変形はフランシス・ベーコンの絵画にも影響されたね」(P.6)

 これは監督の言葉。正統派の「爆裂」かと思われる*2

 山村浩二さんが主宰する『知られざるアニメーション』(BLOGだ! 知らないうちに凄いものが増設されていた)で、この短編が紹介されています。DVD情報などもフォローされるようです。


関連SITE・BLOG

*1:クリス・ランドレス監督はAlias/WavefrontのCGエンジニア出身。同社ツールの機能をアピールするためのパイロットムービーが映像祭などで認められ、作家に転身。ということでいいのかな。

*2:ちなみに『NOTHING/ナッシング』はCG「切株」のようですね。