地球じゃなかったりして…(『コンタクト』の線?)。
昨日の続きで『LOST』。『スターログ日本版』No.26(2005 AUTUMN)のJ・J・エイブラムスのインタビューから。
『LOST』はある部分うんと回り道をするので、長期的なスパンで、ちゃんと山場を用意しているか確かめる必要があるんだ。理不尽やとまどいを感じるようなものではなく、エモーショナルで、ドラマティックで人を魅了するようなヤツをね。『LOST』みたいな設定の番組を説明すると、相手は眉にツバつけて、お決まりの退屈な話だと思うだろう。でも、B級、C級のストーリーを語る秘訣は、A級のストーリーであるかのように語ることなんだ。(P.011)
B級、C級…? うーん、これってM・ナイト・シャラマン監督の作品のようなもの。ということなのだろうか。ただ、『LOST』は、デビッド・リンチ作品やM・ナイト・シャラマン作品のようにミステリアスであると共に、格好をつけず、なりふり構わずにエモーションの極大化を図っているところが肝なのだろうと予測するが。
J・J・エイブラムスの脚本家としてのフィルモグラフィーをメモっておく。下記以外に、来年公開・放映のMission: Impossible III(2006)とThe Catch(TV)が控えている。『フォーエヴァー・ヤング』あたりを再度観てみたい気も。もしや、これがいちばん(作風ではなく核心が)LOSTに近いのでは…(やや記憶曖昧)。
- LOST(TV, 2004-) 製作総指揮/企画
- エイリアス2(TV, 2002-2003) 製作総指揮/企画
- エイリアス/2重スパイの女(TV, 2001-2002) 製作総指揮/企画
- ロードキラー(2001) 製作
- フェリシティの青春(TV, 1998-2002) 製作総指揮/企画
- アルマゲドン(1998)
- ゴーン・フィッシン’<未>(1997)
- フォーエヴァー・ヤング/時を越えた告白(1992) 製作総指揮
- 心の旅(1991) 製作
- ファイロファックス/トラブル手帳で大逆転<未>(1990)
ちなみに『LOST』の開巻は、瞳(単眼)のクローズアップで始まる。これは通常、だれかの脳を覗き込んでいる、ということの断りなのだが、案の定「これは死後の世界だ」「本当は、生き残ったのは一人だけで、すべてはその人の夢だ」といった推理がファンの間で展開されているという(『月刊SKYPerfecTV!』2005年10月号)。あからさまなので、むしろ、ギミックと考えた方がいいのかもしれないが。
『BSCSテレビジョン』2005年11月号によると、ほかに「バーミューダトライアングルのような異次元空間」「政府の陰謀による秘密の島」との説もあるそうだが、ともに魅力的なアイデアとは思えない。含蓄のある出演者のコメントが、むしろ興味深い。以下に──。
「この島は魂を映し出す、大きな鏡みたいなものだと思う。それぞれの登場人物は自分の内面に模索と葛藤を抱えていて、それが島によってはっきりと映し出される」(ソーヤー役:ジョシュ・ホロウェイ談)という興味深い意見も。とにかく「島自体が一つのキャラクター」(ジャック役:M・フォックス談)として物語の中心に存在しているのだ。島の不可解な雰囲気から「禁断の惑星」「惑星ソラリス」といった系統の名作SF映画にも通じるテーストを感じ取る視聴者もいるだろう。(P.13)
なるほど。