“僕も三人の子供を持つ平凡な家庭人だが、映画の中では山ほど人を殺してきた(笑)”


 『Invitation』2005年11月号に、デヴィッド・クローネンバーグ監督の最新作『ヒストリー・オブ・バイオレンス』の紹介と監督インタビューが(文は町山智浩さん)。メモる。

 「私は肉体を損傷する表現に魅了されてきた。暴力とは肉体を損傷することだ。正義の暴力だって同じだ。娯楽的なアクション映画はその事実をごまかし、ヒーローのふるう暴力で損傷される肉体を見せないようにして、正義の暴力を正当化するけどね」(P.017)

 以下、ブッシュ政権批判に言葉は及ぶ。極めて全うな精神。これくらいの全うな精神からこそ、「変なモノ」(世間から変だと言われるモノ)が生まれるのだと私は信じている。実は最近あまり触手が動かなかったクローネンバーグ作品なのだが、『ヒストリー・オブ・バイオレンス』には期待。『シークレット・ウインドウ』のマリア・ベロが出る。この人、いかにもクローネンバーグが好みそうな感じ。公開は来年。