「子どもたちの未来のためには、“非戦”でしかありえないですよ」(竹田逭滋)
◎『NewWORDS(ニューワーズ)』 2006 WINTER 1st ISSUE
『月刊ニュータイプ』の増刊。“オトナのためのニュータイプ・エンタテイメントマガジン、登場!”という触れ込みだ。ただ、どうも誌面やネタ(の切り口)に新鮮味が乏しい。得意分野はそれなりに掘り下げているのだが、全体としては既存誌のパッチワークの域を出ていない感がある。そのなかでは歯ごたえがあったのは、竹田逭滋『BLOOD+』プロデューサーに対するインタビューだ。
日本で生活していると、戦争は見えない。その矛盾に鈍感なまま、やり過ごすことができる。見えていない。見ようとしない。報道記者から始めてTVアニメの分野に転身した竹田プロデューサーは、「子どもたちには自分の頭で考える、話し合いをすることの重要さをわかってほしい」との思いから、1年がかりで「『見えない戦争』を扱う」のだと言っている。
戦争を美化したり、戦争することの正当性を謳うような物語は僕は絶対につくらない。単なる刺激物として残酷描写を見せているんじゃない。肉体じゃなく、感覚に訴える『痛み』を感じてもらえる話をつくりたいんです。
(中略)
こんなもん見せやがってと怒る人もいるだろうけど、じゃあ何がそれで不愉快だったのか? 僕らは常に、そこに考えが至らなくちゃいけないと思う。自分たちの未来は、いま目の前の出来事にかかっています。(P.139)
続いて登場するのは石川光久プロデューサー(プロダクションI.G)。戦争というテーマと同時に、監督(藤咲淳一)の狙いは「本当の愛とは何か」を伝えることにある、と語っている。
録画がたまってしまっている『BLOOD+』。私に観る時間はあるのか…。
もう一つ、私にとって“実用的”なのは、「クリエイターとエンジニアが選ぶ映画ベスト10」のような企画だったりする。趣向自体は、『BRUTUS』の映画特集号などでよくあったお馴染のものではありますが。
で、クリエイターというのが、渡辺信一郎、神山健治、北村龍平、塚本晋也、野村哲也、飯田和敏の6人。みなさん割とオーソドックスな(名作志向の)セレクションとなっているなかで、さすが。そう来たかと思わせるのが北村監督。こうした場でのエンターテイン(もてなし)のツボ(と目立ち方)を心得ている。このひとのところだけ、メモる。
新しいほうの『マイ・ボディガード』は、レンタル店で2度手に取り、迷った末に2度とも棚に戻していた。でも結局、借りてきました。トニー・スコット監督は、(私の好悪反応においては)とても微妙なポジションにいるひとですが。
45ページ(日本映画のさらなる「冒険」)でスクープ(?)されている北村監督の新作『LOVE DEATH』は、インディーズ体制に戻って臨むイカレたラブストーリーとのこと。これは期待。
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◎Web Newtype 公式サイト ホットニュース(2005/11/25)