脳=ハッキング/心=?


 lifehacks;仕事をシンプルかつ楽しくするような習慣を生み出そうという考え方──。私のような人間(雑事をさばけずに時間に追われている)には、ちょうど関心事だった話題が並ぶ。WEB上ではかなり前から語られているようですが、書籍として(この言葉をコンセプトに)まとめたものは初?なのでしょうか。


Life Hacks PRESS ~デジタル世代の「カイゼン」術~

Life Hacks PRESS ~デジタル世代の「カイゼン」術~


 コンテンツのうち、マインドマップについては前(→ここ)に触れましたが、映画シナリオの指南書(を盲信しているわけじゃないですよ)が推奨していた方法ということもあって、いまだ興味は継続中。『Mind Hacks』に代表される脳科学の解説書などと関係させて映画のことを考えてみるのが、どうもよさそうだ。と思ったりも。


Mind Hacks ―実験で知る脳と心のシステム

Mind Hacks ―実験で知る脳と心のシステム

ジャクリーン・ビセット〜オリエント急行〜クムジャさん〜イ・ヨンエ


 3月から映画館に行けず。忙しい…。家での鑑賞もままならず。眠い…。


01. 『ハウルの動く城』監督:宮崎駿(2004年・日本) 再見06/03/18 DVD
02. 『愛と不思議と恐怖の物語』オムニバス(2002年・日本) 06/03/25 DVDレンタル
03. 『フォーリング・ダウン』監督:ジョエル・シューマカー(1993年・米国) 06/04/01 DVDレンタル
04. 『楳図かずお恐怖劇場 蟲たちの家』監督:黒沢清(2005年・日本) 06/04/07 DVDレンタル
05. 『ドミノ』監督:トニー・スコット(2005年・米国) 08/04/08 DVD
06. 『モンスター』監督:パティ・ジェンキンス(2003年・米国+ドイツ) 06/04/09 DVDレンタル
07. 『親切なクムジャさん』監督:パク・チャヌク(2005年・韓国) 06/04/15 DVD


 02の副題は「7人の巨匠がおくる7つのショートストーリー」。もとはTV放映されたもので、収録されているのは、鶴田法男「瀕死体験」、下村勇二「KACHOSAN」、片岡英子「『暮らし』と『住まい』」、鴻上尚史「宇宙で一番近い場所」、中田秀夫「進路指導室」、ケネディ・テイラー「浴槽の死美人」、黒沢清「タイムスリップ」。オムニバスといっても共通のテーマやテイストはない等しい。その中で鴻上尚史さんらしいナイーブさが発揮されているのが「宇宙で一番近い場所」(『ジュリエット・ゲーム』はかなり好きだった一本なんですよね)。これには『白夜行』に通じる視点を(勝手に)感じてしまった。主演が、もうひとりの電車男伊藤淳史ということもあるのだけれど。あとは、真面目な演出でよく出来ているのは「進路指導室」だったが、むしろ思いっきり下らないトリの「タイムスリップ」が印象に残る結果に。“ループもの”なので、過去のリスト(→ここ)に登録した。…クムジャさん、についてはいずれ書きたい。


映画脚本オールタイムベスト101


 The Writers Guild of America, EastThe Writers Guild of America, west が共同で“101 GREATEST SCREENPLAYS”(all time)を発表した(April 7, 2006)。以下がそのリスト(原題でわかる名作がほとんどですが、時間のある時に邦題を追加しようと思います)。

  • 06/04/12…邦題追加81-101位
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金魚顔? キーラ・ナイトレイ


 『ドミノ』──。やはり映画館に駆け付けるべきだった。『マイ・ボディガード』を観て感じた幾つかの事柄に、確信を持った。インフォメーション・メディアとしての映画の存在形式(特質)を、いかに刷新(拡張)するか。このことに、ハリウッドの中に居ながら取り組んでいるのがトニー・スコット監督だ。


 “映像派(≒堕落した映画作家)”などとカテゴライズされることを、いかに回避するか。このことを、おそらく真摯(気楽?)に考察した結果の回答が、近年の諸作だろう。正解を導いたか否かは別にして、「現代(9.11以後の米国)における映画の存在意義」を読み解こうとする企みが確実にある(ように私の目には映った)。


 おそろしく情感を欠いたこの映像作法に対して、「こんなのは映画じゃない」と評する人も多いだろう。しかし、追随する凡百の“ガチャポン映像(ガチャガチャ流れ、ポンポン飛ぶ映像)作家”とは一線を画する域に到達しているのではないか。『マイ・ボディガード』と合わせて後日、改めてまとめ直してみたい。


ドミノ [DVD]

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 『ドニー・ダーコ』のリチャード・ケリー(監督)がかかわっている意味はわかるのだが、ジャクリーン・ビセット(!!)がなぜ呼ばれたのかは、目下わからず(コメンタリー未聴)。『マイ・ボディガード』に続くミッキー・ロークは、『エンゼル・ハート』(1987)が重要なファクターになっている、というのが私の推察(というか妄想)。


 以下は、トニー・スコットの監督作。

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こりゃ好感度高いわ。


 昼間『王様のブランチ』を観ていたら、ドラマ(「日曜劇場『おいしいプロポーズ』」)の宣伝で出演していたのが小出恵介。男優のプロフィールを追いかける習慣がほとんどないので、『パッチギ!』の彼と、『白夜行』の彼が同一人物とは気付いていませんでした(迂闊)。『王様〜』(リポーター:立川絵理白石知世)では、自主映画を撮っていた経験がある、とまず気になるコメント。さらに、その場で教わったストリートバスケのパフォーマンスを難なくこなし、続いてはなじみだという中野ブロードウェイを案内。隙のない好感度で攻めまくった。まんだらけ中野店本店で、「映画にもなっているんです」と薦めていた愛読書が『blue』(魚喃キリコ)。これ、観逃している日本映画の中では、ずっと気になっている一作なので。借りるぞ。


blue [DVD]

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火葬の映画と水葬の映画があるとすれば後者か?

re-editor2006-03-26



 「しんちゃん×しんちゃん×しんちゃん展」──。“eAT KANAZAWA 10周年記念事業”とされている展示イベントなのだが、立ち読みした『フィギュア王』の連載コラムに、“しんちゃん”のひとりである樋口真嗣監督自身が書いていたので存在を知った。場所は金沢21世紀美術館に隣接するeAT 100days Gallery。会期終了(26日)の間際に立ち寄ることができた。


 中島信也原恵一の両人は画コンテが主な出展物。一方、樋口監督は、会場の入り口で出迎えるガメラ(50cm全身)およびレギオン(ヘッド)のフィギュア、中ほどにある『ローレライ』のストーリーボード(のプリントアウト)や伊507の模型、そして突き当たり奥にディスプレイされた(真打ち!!)『日本沈没』関連と続き、経歴も関係して多彩な出展物によって貢献していた。


 『日本沈没』については、シーンイメージを描写したストーリーボード(いつものMac製と思われる)と、手描きによる設定ラフ画のようなもの(美術参考用のスケッチ?)が複数。初めて目にするものが大半だった。シナリオも展示。さらに、傍らのモニターでは予告編の映像を流していた。


 背後に座っているスタッフの目があるので、さすがにシナリオを手に取ることはできない状況だったが、ダブルクリップで3カ所ほどを留められ、開かれていたページには「水浸しになった羽田空港」のカットの挿入が示されていた。関空とかの画になりそうな旅客ターミナルを選ばなかったのは、やはり『サンダ対ガイラ』の舞台にもなったからなのか。


 ほかのシーンについてはこれから予告編などでも小出しにされていくでしょうから、ここには触れません。

会期【part2】(しんちゃん)3展(期間:H18.1.31〜H18.3.26)
CM界の巨匠中島信也氏、eAT名人賞第1回受賞の樋口真嗣監督、そしてクレヨンしんちゃん「嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲」などの原恵一監督の絵コンテや制作の資料など、イートならではの企画で3人のしんちゃんの作品や制作資料を中心に展示いたします。
eAT KANAZAWA公式SITE』から


 それから樋口監督の挨拶文がなぜか、『大江戸捜査網』の“隠密同心 心得の条”(下記)だった。いちおうメモっておく。


我が命、我がものと思わず 武門の儀あくまで陰にて
己の器量伏し ご下命いかにても果すべし
なお、死して屍拾う者なし 死して屍拾う者なし

CGの使用は『魔界大冒険』(1984年)から。だそうです。


クイックジャパン (Vol.64)

クイックジャパン (Vol.64)

 


 なぜだろう。私は映画版『ドラえもん』を一本も観たことがない(TVシリーズも、あまり知らない)。ずっと視野の外にあった。おそらく、あの画が「動く」ということに対し、さほどの魅力を感じていなかったからだろう。関心ゼロ、というわけではないのだが…。
 でありながら、購入したのが『QuickJapan』Vol.64。特集は“永久保存版 映画『ドラえもん』”。全61ページ。「全25作品ストーリー&完全解説」では、うち22作品を芝山努監督自身が解説している。あとは、D.Kの描いたしずかちゃん!! このあたりが貴重かな、と。


 「F先生」が病気で倒れ、初めて原作なしで制作したという『のび太のパラレル西遊記』(1988年)の解説中で、芝山監督はこんなことを語っている。

子どもたちを飽きさせないためにコンテを5分ごとに区切って、そのひとつずつに起承転結をつける。そしてその連鎖で物語を繋げていくといった感じで、映画『ドラえもん』シリーズのセオリーはいつも通り使えましたけどね。(P.058)


 特集の枠外だが、「ヨーロッパ企画上田誠のタイムマシン講座」でも、H・G・ウエルズ、広瀬正、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』と共に、『ドラえもん』が題材にされている。
 また、TVドラマ「時効警察」徹底解説の“三木聡インタビュー”中では、麻生久美子の役名「三日月しずか」が『ドラえもん』に由来すると明かされている。など、あちこちにリンクが。


 押井守組(というかプロダクションI.GのCG部門)のIKIFが参加している『のび太の恐竜2006』は、公開中、間に合えば観に行きたい。

  • 画師SITE