“この「過去の引力」はなんだろう”(鴻上尚史)

『SPA!』2005年11月15日号の鴻上尚史さんのコラム「ドン・キホーテのピアス」(543)から。コラム中で、『文芸漫談 笑うブンガク入門』を「とても刺激的な本だった」と紹介している。そこから「物語」論が展開する。切実なものを感じ取ったので、一部をメモ…

SFX的な話題?

映画とは全く関係ないのだが、“パイロテクニック”で検索をかけたら、トップがこのニュースだった。ただ、「花火技術」とは何かを具体的には記していないのだけれど。

デジタル・エクストリーム・ビークル

◎『ステルス』監督:ロブ・コーエン(2005年・米国) 進歩を見せるのは映像技術(VFX)のみで、人工知能謀反シチュエーションにも、美女虐待シチュエーションにも、演出上の関心はあまり向かっていない。せっかくのタイの風景も、水着の光景も、さしたる感慨…

レコる世間のエターナル幻想 vol.05

!! “記憶リセット映画”強化月間 ◎『50回目のファースト・キス』監督:ピーター・シーガル(2004年・米国) どうやって愛が進展するの? と観る側に疑問を抱かせながら、その解答を的確に埋めていく筋の運びが、とにかく巧妙。ハワイの水族館という舞台設定も…

DVDのジャケットは、なぜか隠していた方の眼だけを強調

◎『ザ・インタープリター』監督:シドニー・ポラック(2005年・米国) この題材で、この程度の深みしか出せないのか、といったハリウッドの限界を感じさせるものではあるが、娯楽サスペンスとして観るなら上出来。ダリウス・コンジ(撮影監督)と二コール・…

もはや私は「ライトユーザー」失格なのか。

!! “記憶リセット映画”強化月間 私の頭の中の消しゴム ナビゲートDVD ~君が僕を忘れても~出版社/メーカー: TCエンタテインメント発売日: 2005/10/21メディア: DVD クリック: 1回この商品を含むブログ (43件) を見る 劇場パンフから一箇所、監督(1971年生ま…

“左脳を黙らせろ”…ん、“全脳開発”?

まさに盛り上がっているところのようですね、マインドマップ。明日(2日)、創始者のトニー・ブザン氏(自己啓発分野のカリスマ)の講演会があるそうで、4日には著書『ザ・マインドマップ〜脳の力を強化する思考技術〜』がダイヤモンド社から発売される。 ザ…

愛と希望の“忘却”、死と再生の“追憶”

!! “タイムスリップ(ワープ)映画”強化月間 ◎『バタフライ・エフェクト』監督:エリック・ブレス、J・マッキー・グラバー(2005年・米国) これはお奨め。時空を何度も超えて行き来する非リアル極まりない展開ながら、演出にぶれがなく、(ドラマ的な真実味…

『回路』と同じ製作年なんですね。

!! “タイムスリップ(ワープ)映画”強化月間 ◎『ターン』監督:平山秀幸(2000年・日本) 演出に乗り切れなかった。『愛を乞うひと』は大好きなのだが、『学校の怪談』シリーズ、『OUT』、『魔界転生』といったあたりも楽しめなかったので、この監督とは相性…

“「スリル・シーカー」と書かれたそのパンフレットには、過去に世界で起きた大惨事の数々が──”

!! “タイムスリップ(ワープ)映画”強化月間 10月15日付・当BLOGで取り上げたIMDb Keyword: Time Loopの中にあった“The Time Shifters(1999)”について、AXNの公式SITEにストーリーが紹介されていた。消えてなくならないうちに引用しておく。邦題は『タイム…

ケン・グリムウッド以前と以後とに分けていいのかな。

!! “タイムスリップ(ワープ)映画”強化月間 「リプレイもの」として取り上げられている作品を整理してみました。むしろタイムパラドックスやパラレルワールドを重視したと言った方がよいもの、時空(意識)の超越や混乱を描いたと言った方がよいものなどが…

『ビューティフル・ドリーマー』はTime Loop 2位に(IMDb)

“タイムスリップ(ワープ)映画”強化月間として、IMDbのplot keywordsを手がかりに、このジャンルにどんな作品があるのかを抽出してみた。4つのkeywordごとに、ユーザー投票による人気順の上位を挙げてみる(Date:2005/10/16, Sort:Rating)。 ●Keyword: Tim…

「10か条」の最後(=帰省は列車で?)は伝えなかったのだろうか。

かなり期待したのだが、残念な結果になってしまっている。感動ではなく、フラストレーションが残った。ただ、こうならざるをえなかった理由というのは、推察するところ、非常に根が深い。また興味深い。劇場パンフのプロデューサー(平野隆)VS監督(塩田明…

“汚れても良い服装、下着も汚れても良いもの、タオル、着替え、洗面用具持参”

その後、何か報道などはあったのだろうか。樋口真嗣監督の『日本沈没』。現時点で分かる動きとしては、映像製作会社の「プラスミック・CFP」というところが、関東圏を中心にエキストラを募集している(これらって第二班撮影なのかな)。会社勤めの身としては…

あと何年かで「新聞」という言葉は共有できなくなるのでは…。

TBSがリリースを続ける“臨死・冥界系ラブストーリー”の正統的な一作(今回はホラー編。来年には真打ちとしてパニック編『日本沈没』が控える)。作品の意図が分からないという意見もあるようだが、要するに宗教的な浄化作用を得るための代替物の一つだと言え…

“僕も三人の子供を持つ平凡な家庭人だが、映画の中では山ほど人を殺してきた(笑)”

『Invitation』2005年11月号に、デヴィッド・クローネンバーグ監督の最新作『ヒストリー・オブ・バイオレンス』の紹介と監督インタビューが(文は町山智浩さん)。メモる。 「私は肉体を損傷する表現に魅了されてきた。暴力とは肉体を損傷することだ。正義の…

殺戮天使たちとのブラッディな週末

◎『シン・シティ』監督:フランク・ミラー、ロバート・ロドリゲス(2005年・米国) デヴォン青木。うわさに違わぬ好演。 (2005/10/07, AMCイクスピアリ) ◎『バイオハザードII アポカリプス』監督:アレクサンダー・ウィット(2004年・カナダ+英国) ミラ…

デジタル・ヒッチコキアンと「秘密の庭」

よしあしは別にして気になるクリエイターの一人。監督作(兼脚本)『トリガー・エフェクト』(1996)を観ようと思っていながら観逃がし、なぜかこの9月にやっと公開された『エコーズ』(1999)も観逃がしてしまっている。スティーブン・スピルバーグ(『ジュ…

地球じゃなかったりして…(『コンタクト』の線?)。

昨日の続きで『LOST』。『スターログ日本版』No.26(2005 AUTUMN)のJ・J・エイブラムスのインタビューから。 『LOST』はある部分うんと回り道をするので、長期的なスパンで、ちゃんと山場を用意しているか確かめる必要があるんだ。理不尽やとまどいを感じる…

キャサリン・ロス 1943年生まれ、ジャクリーン・ビセット 1944年生まれか…。

◎『ドニー・ダーコ』監督:リチャード・ケリー(2001年・米国) DVDになってすぐに買ってあったのだが、ずっと放置したままだった。このところタイムトラベルを扱った映画がかなり目立つので、思うところあって鑑賞。演出面ではやや弱いと思う(当時、監督は…

“大事なのは、脚本家たちの集団本能を信用すること”(J・J・エイブラムス)

◎『LOST』( 第1話・第2話)監督:J・J・エイブラムス(2004年・米国) レギュラー放送は11月からだが、第1話・第2話が10月2日の21:00からプレミア放送された。開幕から快調。出し惜しみせずに「怪物(?)」も、はやばやと登場(姿は見せていない)。都市的…

天国にいちばん近い“さびしんぼう”

◎『初恋のアルバム 〜人魚姫のいた島〜』監督:パク・フンシク(2004年・韓国) 過酷なメルヘン──。現世社会から離脱する想いの力によってのみ出逢うことのできる、忘れかけた幸福。それは取り戻せない「過去」ではない。記憶の海にそっと潜れば、触れること…

『シベ超』。未見なのだが、やはり観るべきか…。

◎『ホラー・エクスプレス / ゾンビ特急"地獄"行』監督:ユージニオ・マーティン(1973年・スペイン&英国) 「ミイラとゾンビと悪魔と宇宙人が交錯する狂乱の展開を、クリストファー・リーとピーター・カッシングが懸命に支える、ゴシック・ホラーの限界点に…

オダギリ009、仲間003で『サイボーグ〜』を、とか。

(余計なイントロ) レイトショー(1300円)なので、観客の数はかなり少ない(にしても少なくないか?)。終映は21時50分。エンドロールがほぼ終わっても、誰も席を立とうとしない。私も立てなかった。感動のあまり…ではない。どうも脱力してしまったようなの…

“爆発”表現…も手付けなのか。物理シミュレーションなのか。

CGによる「爆裂人間(過去LOGはここ)」。にして、オスカー受賞作──。 ところどころで紹介記事を見かけていたにもかかわらず、きちんと読んでいなかった。クリス・ランドレス監督による“アニメイテッド・ドキュメンタリー”という趣向の短編映画『ライアン』…

“「騙し」と承知しつつ「これが地面だ」と思わせるような表現を、まずは重ねていくしかない”

◎『サブカル「真」論」』編:宮台真司,発行:ウェイツ 「社会の矛盾や抑圧が解除されて幸せになり、矛盾や抑圧の生々しい記憶を持つ人が少なくなると、皮肉なことに『いいお話』をつくれる人がいなくなり、それこそ記号的な『萌え』要素の集積と戯れるような…

人気漫画の実写化とキャラクターの審級

(柳下穀一郎さんによる朝日新聞夕刊『頭文字D』評が興味深かった) ◎『タッチ』監督:犬童一心(2005年・日本) 肌に合わなかった。液晶テレビで観る高校野球は、なんともフラットネスで、なんともローエネルギー。それが映画本体にまで伝播してるような感…

小学生の時に手にした『床屋医者パレ』を思い出した

◎『大統領の理髪師』監督:イム・チャンサン(2004年・韓国) まず志を買う。楽しめた。ただコメディとサスペンスを描く際の緩急や、日常の機微と時代の暗黒を反転させる際の鮮やかさが、あと少し欲しいように思った。例えば、主人公(ソン・ガンホ)をリクル…

透視(幻視)者たちの卑近なウォーズ

◎『レイクサイドマーダーケース』監督:青山真治(2004年・日本) (ネタばれがあります。鑑賞後にどうぞ) 「大人のおこした戦争に、お前たち子供の力を最後まで頼りにした…」とはさすがに言わなかったが、同じ東宝+亀山P(CX)&役所広司、という布陣。未…

ファミコン・モードの作劇プログラミング

精神的に中学生から成長してないような大学生たち(=SF研メンバー)のふざけっぷり・無邪気っぷり(演技)が、あまりにも見事で。幼児性万歳、という感じ。聖典『ビューティフル・ドリーマー』の味わいを、うまく再現してる。 言ってみれば演劇的なハイテン…